「キャリアアップ」とは、特定の分野について今よりもさらに専門的な知識を身に付け、能力を向上させて、経歴を高めることです。
転職によって現職より収入が多い仕事を得たり、ポジションが上がったりするなど、自らの市場価値が高まることも指します。
という説明が多いのですが、実際はそう簡単ではありません。
一番は現職でのキャリアアップが理想だと私は思います。
ただ、現職の場合、営業成績、上司からの評価などが重要です。
まだそのような評価があるのなら良いのですが、いくら頑張ってもそれほど評価されず、一部の人のさじ加減で人事が動くような会社・組織では期待はできません。
なら思い切って転職してキャリアアップという道もあると思います。
今はハローワーク以外にも多くの転職サイトがありCMもよく見かけますので、転職も簡単そうなイメージがあります。
確かに年齢が若く、それほど職種にこだわらなければ、転職はそうは難しくないかもしれません。
しかし30代後半からは、先のキャリアアップの説明にある、
「今よりもさらに専門的な知識を身に付け、能力を向上させて、経歴を高める」
「転職によって現職より収入が多い仕事を得たり、ポジションが上がったりする」
はとても難しくなります。
なぜかといいますと、まずは年齢的な部分で採用が少なくなっています。
求人には年齢について59歳以下など高めの年齢が書かれていますが、同じスキルなら若い人の方が給与も少なく長く勤めてもらえると会社は考えます。
また、「ハイクラス」と言われる高収入転職もごく一部の人であり、あまり一般的ではありません。
都会ならまだ良いかもしれませんが、田舎では良くて現状維持です。
ポジションに関しては経験を買われ、今よりも上がることがあるかもしれませんが、給与はそれとは連動しません。
ポジションだけで考えれば、今の会社より規模の小さな会社で経験を活かせるならポジションは上がる場合もあります。
今よりも肩書が上がる場合があっても、給与は下がるといったことはあります。
会社や組織が違えば仕方がないことです。
このように「キャリアアップ」と言っても、収入もポジションも高くなることは意外に難しいことです。
「仕事のやりがい」
「自身のキャリア」
「高いポジション」
と言った部分でキャリアアップを図るなら良いかもしれません。
しかし、家庭があり守る人がいる場合は、収入も影響しますので自身の想いだけではキャリアアップをするのは難しいです。
以前のコラムでも書きましたが、「職業生活設計」と「生活設計」は一緒に考えていかなくてはならないのです。