国家資格と国家試験の違い 2024.9.28

先日、ITパスポート試験のことをFacebookに書いた際に、

「国家資格と国家試験」は違うとのお話をいただきました。

お恥ずかしいことに、私自身、国家資格と国家試験を区別せずにコラムを書いたりしていました。

再度、国家資格と国家試験の違いを調べてみましたので、今回のコラムに書かせていただきます。

国家資格とは、法律に基づき、特定の職業や業務を行うために必要な知識や技能を国が認めた資格のことです。

日本の法律や行政が定めた基準をクリアした者に対して、その資格が与えられます。

国家資格を取得することで、その分野で法的に認められた業務を遂行できるようになります。

例えば、医師や弁護士、看護師、建築士、税理士などが国家資格に該当します。

これらの職業は、高度な専門知識や技術が必要であり、国による資格制度によってその能力が保証されているため、国民の信頼や安全を確保する役割も果たしています。

国家資格の取得は、その職業に就くための条件として法的に定められていることが多く、資格を持たない者がその業務を行うことは法律で禁止されています。

したがって、国家資格を持つことは専門職として働く上での重要な要件となっています。

一方、国家試験は、その国家資格を取得するために必要な試験のことを指します。

つまり、国家試験は国家資格を得るためのプロセスの一部であり、特定の資格を得るためにはその試験に合格することが必要です。

国家試験は、試験を受ける者の知識や技能が、その資格に求められる基準に達しているかどうかを確認するためのものです。

国家試験の内容は、それぞれの資格に応じて異なり、専門的な知識や技能に関する筆記試験、実技試験、面接などが行われることがあります。

試験の難易度や形式も資格によって異なり、医師国家試験や司法試験のように非常に難関とされる試験もあれば、比較的受験しやすい試験もあります。

また、知識を国が証明することを「国家試験」ということもあります。

この場合、国家資格とは違い、資格を持たない者がその業務を行うことは法律で禁止されているということはありませんが、知識はしっかりと証明されます。

国家資格:特定の職業や業務を行うために国が認めた資格。資格を取得することで、その職業に従事することが法的に認められる。

国家試験:国家資格を取得するために必要な試験。合格しない限り、その資格を得ることができない。または、知識を国が証明する試験。

このように、国家資格は最終的に得られる「権利」や「称号」であり、国家試験はその権利を得るための「プロセス」または、「知識の証明」と言えます。

「国家資格」と「国家試験」はしばしば混同されがちですが、それぞれ異なる役割を持っています。

どちらも、特定の分野での信頼性や専門性を確保するために欠かせないものであり、日本の社会において非常に重要な位置を占めています。