新年度が始まり、皆さんの会社でも新入社員が入られたのではないでしょうか。
これからスタートなのに、テレビでは4月1日に退職代行への依頼がすでにあったとの報道もあります。
「まだ始まったばかりなのに?」と思う人も多いと思いますが、なぜこのような人材のミスマッチングが起こるのでしょうか。
人材のミスマッチングが起こるのは、企業と求職者の間で情報がうまく伝わらないことが大きな原因だと言われています。
企業は求人票や面接などを通じて、自社の仕事内容や求める人物像を伝えようとしますが、実際の働き方や職場の雰囲気まで正確に伝えるのは難しいものです。
一方で、求職者も自分のスキルや考え方、働き方に対する希望をはっきり言葉にできないことがあり、企業側とのすれ違いが生まれやすくなります。
また、履歴書や職務経歴書のような書類では、その人の性格や社風との相性といった部分までは見えにくく、実際に働き始めてから「なんか違った」と感じることもあります。
企業が即戦力を重視しすぎて、成長の可能性や人柄といった部分をあまり見ようとしないことも、ミスマッチの一因になっています。
さらに、働き方や仕事に対する価値観が人それぞれ違ってきているのに、昔ながらの「こうあるべき」という考え方で採用してしまうと、うまくかみ合わないことが増えてしまいます。
最近では転職サイトやエージェントなど、仕事探しの方法が増えてきて便利にはなりましたが、どの情報を信じていいのか迷ったり、期待していた内容と実際が違っていたりすることも少なくありません。
本当に大事なのは、スキルだけでなく、その人の価値観や性格が職場に合っているかどうかです。
しかし、今の採用のやり方では、そこまでしっかり見極めるのが難しいのが現状です。
ミスマッチを減らすためには、企業がもっと分かりやすく正直な情報を出すこと、求職者が自分のことをよく理解して伝えること、そしてお互いに「完璧」ではなく「合うかどうか」を大切にしていく姿勢が必要だと思います。
しかし、上記のことをしっかりと取り組めたとしても、入社しないとわからないことは「人間関係」です。
こればかりは、「仕事の内容」「スキル」と言った部分とは違う話であるため、人間関係が駄目になるとどうしようもありません。
人間関係で辞めてしまう人がいる場合は、それを責めるのではなく「人間関係のどのような部分が問題だったか」をしっかり聞くことです。
そのことにより、ミスマッチングになる理由と合わせて知ることで、今後の離職率の低下に結び付けることができます。