興味のない本の内容を定着させる読み方 2025.11.29

 

本を読んでいると、興味のある内容は驚くほどスムーズに理解でき、記憶にも残ります。

一方で、興味のない内容は同じ時間をかけてもなかなか頭に入ってこず、ページをめくる手が止まったり、同じ段落を何度も読み返す経験がある人も多いでしょう。

これは決して「能力の差」ではありません。私たちの脳の仕組みと、情報の扱い方に理由があります。

まず、人の脳は「価値がある」「自分に関係がある」と判断した情報を優先して処理するようにできています。

興味のある内容は、関心のスイッチが入り、脳が“覚える準備”を整えるため、理解力も集中力も高まります。

逆に興味が薄い内容は、脳が「これは重要度が低い」と判断してしまい、注意力が働かないため、記憶として定着しにくいのです。

しかし、社会人として学びを進める上で、自分の興味だけで取捨選択はできません。

必要だが面白くない分野にも向き合わなければならない時があります。そこで重要になるのが「興味がない内容でも頭に入れるための読み方」です。

一つ目の方法は、読む目的を明確にすることです。人は理由がわかると集中できる生き物です。

「この本の内容を理解すると、仕事で何が良くなるのか」「どの部分が自分の課題解決につながるのか」といった目的を最初に言語化すると、脳がその情報を“価値がある”ものとして扱い始めます。

二つ目は、本を細かく分解し、必要な部分だけにフォーカスすることです。

興味がない本を最初から最後まで真面目に読もうとすると挫折します。目次を見て、必要な章だけを選び、さらにその章の要点だけ拾う。

少し乱暴に見えますが、効率的に理解するためには「全部を読まない勇気」も必要です。

三つ目は、アウトプットを前提に読むことです。

「明日誰かにこの内容を説明するつもりで読む」と、読みながら自然に要点を探すようになり、理解が一段階深まります。メモを取りながら読むのも効果的で、手を動かすことで記憶の定着が高まります。

四つ目は、自分の知っていることと結びつけることです。

既存の知識と新しい情報をつなげると、脳はそれを「関連性のある情報」と判断し、記憶しやすくなります。

たとえば「この概念は、あの仕事のプロセスに似ている」「この理論は、前に読んだ本の内容と繋がる」というように、無理やりでもいいので関連付けてみることが大切です。

興味のない本が頭に入りづらいのは脳の自然な反応です。

しかし、工夫次第で「頭に入りやすい状態」をつくることはできます。

本を読む目的を明確にし、必要な部分だけに絞り、アウトプットを意識し、自分の経験と関連付ける。

こうした読み方を身につければ、興味の有無に左右されず、学びの幅を広げることができるでしょう。