転機について考える 2020.6.13

前回のコラムで、「偶然の出来事」について書きました。

今回のコラムでは、「転機」について書こうと思います。

「転機」という言葉を聞いてどんなイメージをされますか?

人生で何かが変わるタイミングのようなイメージではないでしょうか。

ナンシー・K・シュロスバーグは、自分でコントロールできる転機もコントロールできない転機もあり、転機の起こり方は次に示すような主に3種類と言っています。

 

①予期していた転機 … 就職する・結婚する・子供が生まれる など

②予期していなかった転機 … 事故・病気・失業 など

③期待していたものが起こらなかった転機 … 結婚するつもりでいたが結婚できなかった。昇格するはずがしなかった。 など

 

転機の影響は色々とあるわけですが、シュロスバーグは、転機の乗り切り方を2段階の方法で示しています。

・第1段階 … リソースを点検する(転機を乗り切るためのリソースにはどのようなものがあるのか)

・第2段階 … 変化を受け止める(転機を乗り切るための戦略を立て、そのためのリソースを強化する)

 

まず、第1段階のリソースを点検するとは、次の4つのSとしてまとめられています。

①状況(Situation) … 状況の本質に対する自分自身の見解を評価する。「転機をプラスとみるかマイナスとみるか」「この転機は上昇か下降か」など

②自己(Self) … 自分自身で活用できる内面的な資質を探る。「転機をコントロールできるか」「自身の興味・スキル・仕事の経験を活かせるか」など

③支援(Supports) … 転機に関してどのような支援が得られるか。「家族などの支援はあるか」「資金・時間・などの支援はあるのか」など

④戦略(Strategies) … 状況・自己・支援を把握して、可能な対処戦略を検討する。「転機の持つ意味を変えようと挑戦したか」「戦略を考えているか」など

 

第2段階の変化を受け止めるでは、転機を乗り切るための戦略を立て、そのためのリソースを強化し、成功が期待できる戦略を選びます。その上で行動計画を立て乗り越えていきます。

 

「転機」について、理論を要約して述べましたが、とても複雑であり難しく感じます。

しかし、多くの人はいくつもの転機に遭遇し、それを乗り越え今日に至っています。

私の例えになりますが、協会を立ち上げたのも、前回のコラムに書いた「偶然」と今回のコラムの「転機」が合わさったことだと感じています。

この理論のように「転機」を少しでも意識することで、「良いことはさらに良く」「悪いことは最小限に」といったように、自分にとってプラスに持っていくことはできると思います。

また、「自身の学び」が新たな「転機」に繋がるかもしれません。