人に何かを教えることは簡単ではありません。
「後輩に仕事を教える」
「学生に◯◯について教える」
など、教える側が教えることをしっかり理解していないとできません。
ただ理解しているだけでは教えられないと感じたことがありました。
それは、最近仕事で官公庁に書類の書き方を相談したときのことです。
私:「Aの書類の書き方を教えてほしいのですが」
担当者:「Aの書類を書くには、Bの金額を算出してください」
私:「Bの金額とはなんですか?」
担当者:「BはBですのでその金額を算出してください」
私:(Bが理解できていないが)
「Bを算出すればその書類(Aの書類)が完成するのですね?」
担当者:「その書類とはなんですか?電話なので書類は見えません」
私:「わかりました。取りあえずをBを算出してやってみます。ありがとうございました」
という会話になりました。
そもそもBがなんなのかわからないため、結局はネットで検索して調べるしかありませんでした。
また、後半の担当者の会話は、
「そんなこともわからないのか。イライラするよ」
といった感情が伝わるものでした。
ここで態度について指摘をしても、揉めるだけなので何も言いませんでしたが、とても教えるには程遠い対応でした。
私も仕事で相談に応じたり、何かを教えることがあります。
相談者はわからないから聞いてくるのですが、わかる立場からすると、
「それは基本的なことなんだけど」
と思うこともあります。
だからといって、先の官公庁の担当者のような対応をしては何の解決にもなりません。
自分の仕事を放棄してるのと同じです。
なので、分からないことを一つ一つ丁寧にお聞きし、理解してもらえるよう説明をします。
とある人材育成のセミナーでホッチキスとは何かを、ホッチキスを知らない外国人に教えるという練習がありました。
私たちは普段から使っているので何の問題もなく使えますが、全く知らない人に教えるとなると、ホッチキスのパーツの説明や用途までしっかり説明しなくてはなりません。
普段当たり前に使っているものを、何も知らない人に伝えることは本当に難しいと実感しました。
この経験からも、わからないことをわかる人が教える際には、相手の立場に立って教えることが大切であると学びました。
忙しい仕事のなか、後輩や部下から聞かれたことに、
「そんなこともわからないのか」
「やり方はマニュアルを見てやってくれ」
と言ってしまうことがあるかと思います。
しかし、その気持ちをグッと押さえしっかり教えることは、相手にもその気持ちが伝わり何度も聞くことがないようメモなどをしてくれます。
教える方が面倒くさそうに教えると、相手も覚えることを拒否し、そのときは解決してもまた忘れてしまうのです。
最初は子供に教えるようかのように丁寧に教えるしかありません。
それが「わかりやすく教える」の一歩になるのだと思います。