学びというと、本を読んだり、講義を受けたりして知識を身につけることを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
もちろん、こうした学びは大切ですが、最近、私が改めてその価値を実感しているのが、ディスカッションを通じた学びです。
現在、私は仕事を続けながら大学院で学んでいます。
オンライン講義が中心ですが、講義の内容について受講生同士で意見を交換する機会が多く設けられています。
また、対面授業ではグループに分かれて議論することもあります。
そこで感じるのは、同じ講義を受けていても、人によって着目する点や考え方が大きく異なるということです。
例えば、経営戦略について学んだ際、製造業に勤める人は製品開発や生産現場の視点から、金融機関に勤める人は資金調達や投資の視点から意見を述べます。
一方、中小企業の経営支援に携わっているため、地域企業の課題や支援機関としての役割を考えます。
同じテーマであっても、それぞれの仕事や経験によって捉え方が異なるのです。
自分では思いつかなかった意見を聞くことで、新たな気づきが生まれ、物事を多面的に考えられるようになります。
また、ディスカッションには、自分の考えを整理するという効果もあります。
講義を聞いて理解したつもりでも、いざ自分の言葉で説明しようとすると、うまく伝えられないことがあります。
これは、知識として理解していても、自分の中で十分に整理できていないからかもしれません。
他者に伝えるためには、何を学び、どのように考えたのかを整理する必要があります。
さらに、質問や異なる意見を受けることで、自分の考えを見直す機会にもなります。
私は、ディスカッションの目的は、必ずしも一つの正解を導き出すことではないと考えています。
特に経営に関する課題は、企業の規模や業種、置かれた環境によって解決策が異なります。
だからこそ、多様な意見に耳を傾け、その背景にある考え方を理解することが大切なのだと思います。
一方で、ディスカッションを有意義なものにするためには、自分自身が事前に学び、考えを持って参加することも必要です。
ただ他者の意見を聞くだけでなく、自分の経験や考えを伝えることで、相互に学び合う関係が生まれます。
社会人になってからの学びには、これまで積み重ねてきた仕事や人生の経験を活かせるという強みがあります。
そして、異なる経験を持つ人たちと意見を交わすことで、その学びはさらに深まります。
知識を得ることが学びの出発点だとすれば、ディスカッションは、その知識を広げ、深める機会なのかもしれません。
これからも、自分とは異なる意見や価値観を大切にしながら、一人では得られない学びを積み重ねていきたいと思います。

