最近仕事で感じたこと 2020.6.20

今の仕事について20年ほどが経とうとしています。自分の考えで仕事をすることも増えましたが、それでも上の指示で仕事をすることも多いです。

そのような中で、最近仕事で感じたことを書きたいと思います。

私の最初の就職は、学生時代に学んだ簿記やパソコンのスキルを活かせる仕事がしたくて事務職を探しました。

私自身、押しが弱く、人の意見に流されやすいため、営業職や販売職は向かないと思っていました。

なので、学んだことが活かせる事務職を希望しました。

男性の事務職の求人はほとんどないに等しかったのですが、なんとか地元の食品製造メーカーの求人があり就職をしました。

会社の業務内容や規模というよりは、取り敢えず事務の仕事に就ければ良いとの思いでした。

その会社は、地元では少し名の知れている会社で、従業員も70名ほどいました。

同僚や先輩はとても良くしてくれて不満はなかったのですが、給与が安い(今思えば安くはなかったかも)のと、会長、社長、部長などの役員は全て同族というところが不満でした。

地方の中小企業では同族会社は当たり前なのですが、私の中では、

「この一族のために働いている」

という思いが強かったです。

なので、日に日に転職したいという気持ちは強くなりました。

転職するなら、

「人のためになる仕事」

という思いがありました。

就職してから2年半くらいが経ったある日、辞めたいと強く思うきっかけがありました。

私の上司の部長(もちろん同族)は気分屋で、いつもご機嫌を伺いながら仕事をしていましたが、とある日、女性の先輩が有休を取った日がありました。

その先輩は、会社の玄関掃除を担当していのですが、その日は私が代わりに掃除をしました。

掃除をしないでいれば部長に

「会社の顔である玄関を掃除しないとはどういうことだ」

と怒られると思ったからです。

しかし、それは逆で、部長の中では急ぎの仕事を頼みたかったようで、

「急ぎの仕事があるのにお前はなにをやっているんだ」

と机を叩かれながら怒鳴り散らされました。

この時に真剣に、

「この一族のために働いているのではない」

と思い転職を決意しました。

偶然にも、その決意からわずかして、

「人のためになる仕事」

今勤めている、中小企業支援機関の仕事が見つかり、無事転職をすることができました。

中小企業支援機関の仕事は、学生時代に学んだスキルはもちろんのこと、経営者から寄せられる様々な相談に対応できるよう、さらに学び、スキルアップを図りました。

転職当初は、学ぶことも覚えることもたくさんありましたが、とても充実していました。

長い間後輩はできませんでしたが、上司や先輩に多くのことを教えていただき、自分の担当する仕事では経営者の皆さんからの信頼を得ながら仕事をすることができるようになりました。

ただ、この時は組織として対外的に進める仕事は、上司や先輩が受けて話を進めてくれるのであり、私は決まったことをこなすだけで良かったのですが、20年も同じ仕事をしていれば、普通の会社より人の入れ替わりが少なくても上司や先輩が退職となり、新しい人が入ってきたり新しい仕事をするようになります。

そして、自分の仕事だけではなく、上司や先輩がやってくれていた組織として対外的に話を進め仕事を受けることも多くなりました。

組織として対外的に進める仕事は、そこで物事を決めてそれを持ち帰り、後輩や仲間と一緒に仕事を進めていくことになります。

仕事としてはとてもやりがいがある仕事で人のためにもなります。それは私としてはとてもやりがいのあることなのですが、最近、新型コロナウイルス関連の仕事が増えるなかで、政治色を感じることが多くなりました。

中小企業支援機関の仕事は、国、県、市町村の施策に取り組むことが多いので、もちろん政治が関わることも多くあります。むしろ当たり前かもしれません。

でも、政治が関わることは、それを決める誰かがいるわけであり、評価される誰かがいます。

それは私や私の組織ではありません。

なので、その誰かの意向にそうように施策が進められることがあります。

でも、実働部隊は私たちであり、非難やクレームを受けるのも私たちです。

私たちはみんな「人のためになる仕事」との思いで仕事をしているので、喜ばれることも、怒られることも全て受け止めてやるしかありません。

それでも、誰かの意向に沿うように仕事をしていると感じたときに、何か虚しさを感じることもあります。

最初の会社で、

「同族会社の一族のために働くこと」

に違和感を感じて転職しましたが、ここにきて、

「評価される誰かのために働く」

ということにとても違和感を覚えました。

一緒に働く仲間たちも同じ思いを感じていますが、本来の中小企業支援機関の仕事として、経営者やその会社で働く人たちのために、日々奮闘しています。

自分の思うような仕事などないとはわかっていますが、それでも今回の新型コロナウイルス関連の仕事では何とも言えな気持ちの中で仕事をしているのも事実です。

早く新型コロナウイルスが終息して、今までの生活に戻ることを願います。