能力開発基本調査(個人調査編) 2020.7.18

能力開発基本調査に今回で最終回です。「個人調査」について書いていきます。

1)能力・スキルについて

令和元年度版で初めて掲載された内容です。

①自信のある能力・スキル

・仕事をする上で自信のある能力・スキルがある常用労働者の割合は81.8%であり、正社員で85.8%、正社員以外では74.9%である。

②向上させたい能力・スキル

・今後、向上させたい能力・スキルがある常用労働者の割合は89.5%であり、正社員では93.3%、正社員以外では82.8となっている。

多くの社会人が自信のある能力やスキルがあり、さらに向上させたい能力やスキルがあるのは社会人になっても「学ぶ」気持ちがあることが良く分かりますが、「自己啓発」についての調査結果ではそれがほとんどできていないことが分かります。

 

2)会社を通して受講した教育訓練について

①OFF-JTの受講状況

・平成30年度にOFF-JTを受講した常用労働者の割合は35.3%であり、正社員で43.8%、正社員以外では20.5%で、正社員以外の受講率は正社員の約半分である。

・男女別では、男性(42.6%)に対して女性(27.5%)と女性の受講率が低い。

・企業規模別に見ると、正社員では企業規模が大きくなるほど割合が高くなるが、正社員以外では大きな差は見られない。

②OFF-JTを受講した労働者の延べ受講時間

労働者全体では「5時間以上10時間未満(26.4%)」が最も多く、続いて「5時間未満(22.9%)」である。

③受講したOFF-JTの役立ち度

正社員、正社員以外ともに、「役に立った」や「どちらかというと役に立った」の肯定的意見が93.3%を占めている。

 

3)自己啓発について

①自己啓発の実施状況

・平成30年度に自己啓発を行った者は、労働者全体では29.8%であり、正社員で39.2%、正社員以外で13.2%で正社員以外の実施率が低い。

②自己啓発の実施方法

・正社員、正社員以外ともに、最も多いのは、「ラジオ、テレビ、専門書等による自学、自習」であり、続いて「eラーニング(インターネット)」による学習であった。※平成30年度版では、この二つが同一の項目になっていたが、令和元年度版でeラーニング(インターネット)が独立項目となった。

③自己啓発を行った者の延べ実施時間

全体では20時間未満の者が全体の2分の1近くを占めるが、正社員では「10時間以上20時間未満」(18.6%)が最も多く、正社員以外では「5時間未満」(23.5%)の割合が最も多い。

④自己啓発を行った者の延べ自己負担費用の状況

・「0円(36.2%)」が最も多く、次いで「1千円以上1万円未満(23.1%)」である。

⑤自己啓発にかかった費用の補助の状況

・費用の補助を受けた者は、労働者全体で45.6%で、正社員では47.2%、正社員以外では37.5%である。

⑥自己啓発を行った理由

・自己啓発を行った理由で最も多いのは、正社員、正社員以外ともに「現在の仕事に必要な知識・能力を身につけるため」(正社員81.9%、正社員以外78.3%)である。

⑦自己啓発を行う上での問題点

・自己啓発を行う上で何らかの問題があるとしたとした者の割合は、全体では76.7%(正社員80.3%、正社員以外70.5%)と7割を超える。

・自己啓発を行う上での問題点について、最も多いのは、正社員、正社員以外のいずれも、「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」である。

 

先の1)能力・スキルの調査で、「向上させたい能力・スキルがある」と答えた社会人は多かったものの、実際に自己啓発している割合はとても低いです。

また、「自己啓発を行った者の延べ実施時間」「自己啓発を行った者の延べ自己負担費用の状況」もとても低い結果です。

「仕事が忙しく時間が取れない」や「学びに使える資金がない」など個々の事情はあるとは思いますが、「学ぶ意思」はあるものの、学べない状況であることがわかります。

 

ただ、「毎日帰りが午前様で、お小遣いが全くない」と言った社会人はそれほど多くはないと私は思います。厳しい言い方ですが、「学びたい」と言った気持ちはあるものの、本気でやろうと思う人が少ないのではないかと感じています。

私自身の学びの時間について、以前のコラムで書きましたが、毎日19時近くに家に帰り、子供をお風呂に入れたり寝かし付けたり、家に帰れば子育ての時間となり、学びの時間の確保は難しいです。テレビですらゆっくり観ることもできません。それでも、学びをするためにスキマ時間を活用し時間を作り、少ないお小遣いを学びに当てているのですから、もっと学びができる社会人は多いのではないかと感じています。

キャリコンサルタント養成講座の仲間たちも、決して安くない受講料を払い、休みである土日を使って遠方から学びにきていました。皆さんそれぞれ家庭があり仕事もあります。それでも学ぶのですから、本気で「学ぶか」「学ばないか」の違いであると思います。

 

3回にわたり、能力開発基本調査について書きました。調査内容について、とても分かりやすくまとめている「みんなで合格☆キャリアコンサルタント試験」のページより引用させてただきました。

今回の調査結果からわかることは、まだまだ社会人の学びの環境を改善する必要性はあると感じました。

会社としても、社会人としてもどちらもが取り組まなければならないことです。

年功序列でなくなってきている現在の日本では、自身のキャリアは自身で考えなくてはなりません。

今年のように新型コロナウイルスや大災害など、普段ないことで仕事を失ってしまっている人もいると思われます。

そういう時に今までの学びが次のキャリアへ結びつくのではないかと思います。

そのためにも何かしら学ぶ必要があるのです。