私たちは日々、仕事や家庭、地域活動など、さまざまな場面で人と会話をしています。
そして、その中で改めて感じるのが、「何を言うか」と同じくらい、「どう言うか」が大切だということです。
先日、仕事で一本の電話を受けました。その出来事を通して、「言い方」の重要性について改めて考えさせられました。
例えば、次の二つの問いがあったとします。
A「地域の○○という課題に取り組んでいる企業があります。地域としてその企業の取組を知り、課題解決に生かせないか、一緒に考えてみることはできますか。」
B「地域の○○という課題に取り組んでいる企業があるのを知っていますか。なぜ地域としてその企業を知ろうとしないのですか。あなたはどう思いますか。」
どちらも伝えたい内容はほぼ同じです。しかし、受け取る側の印象は大きく異なります。
私は迷わずAのほうが話しやすいと感じます。
もちろん、その場ですぐに答えが出ないこともあります。
それでも、「一緒に考えてみませんか」という姿勢が伝わるため、自然と前向きな意見交換につながります。
一方で、電話に出た直後から矢継ぎ早に問いかけられるような話し方をされると、気持ちが萎縮してしまい、本来であれば考えられることも考えられなくなってしまいます。
相手の意図を理解する前に、「何とか答えなければ」という気持ちが先に立ち、建設的な対話が難しくなることもあります。
仕事では、相談を受ける立場にも、提案をする立場にもなります。
だからこそ、相手に伝えたいことだけではなく、「どのように伝えれば相手が考えやすくなるか」という視点を持つことが大切なのだと感じました。
相手を責めるような言い方は、防御する気持ちを生みやすくなります。
一方で、相手を尊重し、「一緒に考えましょう」という姿勢が伝わる言い方は、新しい発想や協力関係を生み出します。
これは仕事だけでなく、家庭や友人関係、地域活動など、あらゆる場面に共通することではないでしょうか。
今回の電話を受けて改めて感じたのは、「言葉には人を動かす力がある」ということです。
同じ内容であっても、言い方が変わるだけで、相手の受け止め方も、その後の会話も大きく変わります。
だからこそ、伝えたいことだけを考えるのではなく、「相手が受け止めやすい伝え方になっているだろうか」と一度立ち止まることが大切なのだと思います。
また、この出来事は、「問い方」についても考えるきっかけになりました。
人は問いかけられた内容だけでなく、その問い方によって思考の方向性や深さが変わります。
相手を追い詰める問いではなく、一緒に考えたくなる問いを投げかけることで、より良い対話が生まれます。
良い問いは、良い答えを引き出します。
それは単に正解を導くということではなく、相手の考えを引き出し、新たな気づきや学びを生み出すということです。
私自身も、これからは「何を伝えるか」だけでなく、「どのような問いを投げかければ相手とより良い対話ができるのか」を意識しながら、一つ一つのコミュニケーションを大切にしていきたいと思います。

