日本の労働市場での異業種への転職が加速しています。民間調査によると異業種への転職者数は2017年度、リーマン・ショック直後の2009年度に比べて3倍になっていて、同じ業種への転職に比べて1.5倍だそうです。
日本は今でも「終身雇用」という考え方が残っているため、諸外国に比べ産業構造の急速な変化に遅れを取っていますが、人手不足を背景に成長分野に人が動き始めてきています。
リクルートキャリアがまとめた業種間の転職状況をみると、世界的な成長分野への労働移動がみられています。特に多くなっているのは、IT(情報技術)人材と言われています。「IT・通信」からコンサルティング業界への転職者数は8年間で5.6倍と、異業種転職全体の3倍を大きく上回っています。
生産性の向上や革新的な製品の開発に人工知能(AI)を含むITの活用は欠かせなくなっています。企業が生産現場や管理業務などへの導入を進めるなか、コンサルティング企業はIT人材を確保して顧客企業への提案力を強化しています。
自社でもIT人材を雇い入れる動きも強まり、製品のデジタル化が進む「電気・電子・機械」業界にもIT人材が求められています。
このように好況な業種には人の移動が活発になりやすく、厚生労働省の調査によると2017年の1年間で転職した人の割合は全常用労働者のうち10.2%となっており、過去5年は1割前後で推移し10年前の好況時に迫る水準となっています。
これからの時代ますます終身雇用の考え方が薄れ、自分のやりたいことや企業の求めに応じて転職する人も増えていくと考えられます。時代の流れに対応していくためには、個々のスキルアップもかかせなくなってきているのです。
ラーニングスキルマイスター資格はこのような時代に対応できるよう、自分のスキルアップや他者へのアドバイスができるカリキュラムとなっています。
これからも多くの方に「学ぶ技術」を普及できるよう当協会は活動していきます。