隣の芝は青く見えるもの 2019.11.9

「隣の芝は青く見える」という言葉があります。

もともとは英語のことわざで、
”The grass is always greener on the other side of the fence.”
の和訳です。

一般的に「自分のものより、他人のものの方が良く見えるということを意味する表現」として使われます。

色々な場面で使われることが多いのですが、仕事でも良く使われるとことがあります。

「あの人の仕事は私の仕事より給料が高い」
「あの人の仕事は私の仕事より休みが多い」
「あの人の仕事は私の仕事より楽そうだ」

などなど、他人の仕事が良く見えることは多々あることです。

しかし、実際のところは、その「あの人」が「あなた」の仕事を羨んでいるかもしれません。

こういう考えのもと、安易に転職をして失敗したといった話を聞くことがあります。

確かに、給料が高いことや休みが多いことは羨ましくもあります。

しかし、転職するということは、今まで積んできたキャリアを失うことになるかもしれません。

同じ職場に長くいればいるほど、その職場でキャリアを積むことになります。毎日当たり前にやっていることでも、部下や後輩からみたら、「あなた」にしかできないものかもしれません。

それを失うことは、あなたにとっても会社に取っても大きな損失になりかねません。

ごく稀にそのキャリアを買われて、同じ仕事の内容で待遇の良い会社に転職できる場合もありますが、本当に稀なことです。

「ヘッドハンティング」なんて言われることもありますが、ヘッドハンティングされるだけの経験と人脈があったのだからだと考えられます。

普段の仕事からはそうは簡単にヘッドハンティングはありません。

また、自分の強みや経験をPRし、やりたかった仕事や入りたい会社に転職をすることもできますが、誰もが思うように転職できるわけではありません。

心身ともに疲れ果てるほどの理由で転職するのであれば仕方がないことですが、ちょっとした思いだけで転職するのはリスクが高いことです。

自分の強みは何であり、今までの経験やスキルが他社でどのように活かされるか、それに合った仕事があるかなど、現状の仕事を変えるには自己分析や環境分析などをしながら、それなりの準備が必要となるのです。

近年、一つの仕事が長続きしない人が増えていると言われています。

それが今後のキャリアデザインのなかで、

「もっと早く成長したい」
「新しい知識を多く習得したい」

と言った理由ならまだ良いのですか、「隣の芝は青く見える」からと言って、安易な転職はおすすめできません。

転職には人それぞれの理由がありますが、他者が良く見えたり、何かから逃げたくて転職を考えたときには、一度立ち止まって自分の今までと、これからあるべき姿を考える時間を作ることが大切です。