権利と義務と平等 2020.7.23

「権利」「義務」「平等」の意味は、

「権利」とは、ある物事を自分の意思によって自由に行ったり、他人に要求したりすることのできる資格・能力。一定の利益を自分のために主張し、また、これを享受することができる法律上の能力。

「義務」とは、人がそれぞれの立場に応じて当然しなければならない務め。法律によって人に課せられる拘束。

「平等」とは、かたより差別がなく、みな等しいこと。

普段、当たり前に使っている言葉ですが、しっかり意味を調べてみると上記のような内容です。ほとんどの人が上記の説明と同じ解釈で言葉を使っているのだと思います。

私は権利と義務はセットのような言葉であると考えます。

権利を主張するのであれば、それなりの義務を果たし、義務を果てしてるのであれば、権利を主張できるのだと考えます。

しかし、権利ばかり主張する人も少なからず世の中にはいます。そのような人に出くわして、嫌な思いをした方も多いのではないでしょうか。

今回、新型コロナウイルス感染症の影響下、この3つの言葉を考えさせられた出来事についてコラムを書きます。

新型コロナウイルス感染症で、仕事も生活も大きく変わりました。

「仕事が減った」「給料が減った」「事業が厳しい」「学校が休みになった」「お祭りが無くなった」など、上げればきりがないほど色々と変わりました。

人の心もなんとなくどんよりしているというか、すさんでしまっている部分もあるかと思います。

そのようななか、国を始め、都道府県や市町村が、住民や事業者に対しての多くの支援を行っています。

支援について賛否両論ありますが、給付金は多くの人や事業者の支えになっているのではないでしょうか。

とある自治体では、事業者向けに国の持続化給付金より先駆け、独自の給付を行いました。金額は5万円とプラスα。

国の給付金が始まるまでの繋ぎ資金の意味合いもあり、迅速な給付を目指したため、地域の事業者の多くが加入している経済団体の会員を対象としました。

当然のことながら、その経済団体に加入していない事業者には給付がありません。

加入していない事業者からは、

「平等でない。同じ自治体内で事業をしているのだから、給付をもらうのは権利だ」

との意見が出ました。

しかし、経済団体に加入してい事業者からすると、

「我々は会費を払って加入している。しかも、地域経済発展のために、休みの日や仕事の合間に地域のための事業に参加している。地域のために加入してるのだから、給付が限定されても仕方がない。むしろ加入しないで、何もしない事業者がもらう方が平等でない」

との意見が出ました。

経済団体に加入していない、先の物申した事業者の一部は、果たすべき「義務」を果たしていないという事業者もあります。

皆さんはこの話を聞いて、どちらが正しいと思いますか。

実際はもっと色々な経過があるため、それを聞けばどちらの言い分が正しいか判断できるかもしれません。

でも私自身は、どちらの言い分もわかるため、今回のコラムに書かせていただきました。

先にも書きましたが、私は「権利」と「義務」はセットであると思いますが、「義務」を果たさずに、「権利」や「平等」だけを言う人が多くなっているような気がします。

新型コロナウイル感染症の終息はいつになるか分からないため、まだまだ厳しい状況が続くと思いますが、それでも心に少しの余裕を持って物事を考えたいものです。